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熊丸 博滋; 久木田 豊
Nucl. Eng. Des., 144, p.257 - 268, 1993/00
被引用回数:1 パーセンタイル:18.76(Nuclear Science & Technology)PWR(1717)型及び稠密格子型燃料バンドルについて、高圧・ボイルオフ(極低流量、質量流束100kg/ms以下)条件下で熱伝達実験を実施した。限界熱流束(あるいはドライアウト点)及び混合水位(ドライアウト点)上方の熱伝達についての実験データをそれぞれ対応する幾つかの相関式等と比較した。限界熱流束及び混合水位上方の熱伝達とも、ボイルオフ条件下では、PWR型及び稠密格子型バンドル間で、大差はなかった。限界熱流束については、「完全蒸発の式」により良く予測できる。すなわち、ドライアウトは熱平衡クオリティが1になる高さ付近で発生することが明らかになった。また、混合水位上方の熱伝達については、輻射伝熱の寄与が大きいこと、及び膜温度(伝熱面温度と流体バルク温度の平均値)を物性値評価に使用すれば、Dittus-Boelterの式で良く予測できることが明らかになった。
熊丸 博滋; 久木田 豊
ANP 92: Proc. of the Int. Conf. on Design and Safety of Advanced Nuclear Power Plants,Vol. 3, p.24.4-1 - 24.4-7, 1992/00
PWR(1717)型及び稠密格子型燃料バンドルについて、高圧ボイルオフ(極低流量;質量流束100kg/ms以下)条件下で熱伝達実験を実施した。限界熱流束(あるいはドライアウト点)及び混合水位(ドライアウト点)上方の熱伝達についての実験データをそれぞれ対応する幾つかの相関式等と比較した。限界熱流束及び混合水位上方の熱伝達とも、ボイルオフ条件下では、PWR型及び稠密格子型バンドル間で大差はなかった。限界熱流束については、「完全蒸発モデル」により良く予測できる、すなわち、トライアウトは熱平衡クオリティが1になる高さ付近で発生することが明らかになった。また、混合水位上方の熱伝達については、軸射伝熱の寄与が大きいこと、及び膜温度(伝熱面温度と流体バルク温度の平均値)を物性値評価に使用すれば、Dittus-Boelterの式で良く予測できることが明らかになった。
安濃田 良成; 中村 秀夫; 久木田 豊; 田坂 完二
Journal of Nuclear Science and Technology, 25(2), p.143 - 152, 1988/02
自然循環による炉心冷却効果は、BWRの小破断LOCA過程や再循環ポンプ停止を伴う各種の過渡状態において、非常に重要である。この様な、原子炉容器内残存水量が減少した場合のBWR自然循環実験自然循環挙動を解明するために、ROSA-III装置を用いて実験を行なった。実験の結果、残存水量の減少に伴い自然循環のモードが、1)主循環モード、2)内部循環モード、3)開ループ(炉心露出)モードに変化することを明らかにした。さらに、内部循環モードに対する解析モデルを開発し、炉心露出限界を導いた。この解析モデルは、圧力7.35及び2.06MPa、炉心出力20%相当以下の準定常自然循環実験におけるシュラウド内二相混合水位及び炉心露出限界を正しく予測した。また、この解析モデルを用いて、実炉の自然循環挙動の予測を行った。
古田 照夫; 川崎 了
Journal of Nuclear Materials, 105(2), p.119 - 131, 1982/00
被引用回数:19 パーセンタイル:85.09(Materials Science, Multidisciplinary)冷却材喪失事故時の破裂被覆管内面で起こる反応挙動を明らかにするために、高温水蒸気-水素混合ガス中のジルカロイ-4管の反応挙動を調べた。全重量増加は混合ガス中の水素体積比によって変化し、反応温度と水蒸気流速に依存する臨界水素体積比が存在する。また、この臨界体積比で全重量増加は減少し、形成される酸化膜も緻密なものから多孔質なものへと変り、ジルカロイに多量の水素が吸収される。この水素吸収によってジルカロイの延性低下が起されることも判った。以上の結果から、混合ガス中の反応が水素体積比に影響されるという考え方は、破裂被覆管内面での反応挙動を十分説明できることを明らかにした。
西 義久*; 新井 健司*; 及川 弘秀*; 藤井 正*; 梅澤 成光*; 山田 英朋*; 中村 秀夫
no journal, ,
2015年3月に策定された日本原子力学会の熱水力安全評価基盤技術高度化戦略マップ2015(改訂版)に掲載される安全向上策に関わる技術課題のうち、シビアアクシデントなど従来の設計基準を超える事故が発生した場合に、炉心損傷の防止を図る上で重要と考えられる技術的課題を整理、報告するものである。技術課題としては、沸騰挙動と二相水位の変化、露出部燃料の冷却特性、代替注水を目的とした減圧時の挙動や注水のサブクールの影響、代替注水として利用された海水などの成分の影響、燃料被覆管の酸化挙動、2次冷却系を用いた除熱の有効性実証、使用済み燃料プール(SFP)内燃料の冷却などが挙げられるが、ここでは、過渡的な沸騰挙動と二相水位の変化、代替注水された海水などの成分の影響、SFP燃料の冷却の研究計画の概略を説明する。